結婚式のフラワーシャワー撮影の立ち位置|扉が開いた瞬間、参列者の背中しか映っていなかった

結婚式のフラワーシャワー撮影の立ち位置|扉が開いた瞬間、参列者の背中しか映っていなかった TIPS

チャペルの扉が開いて、新郎新婦が出てくる。拍手と花びら。結婚式で一番明るい瞬間だ。

wedding flower shower couple
Photo by Rohit Photography on Pexels

その瞬間、自分のカメラに映っていたのは、腕を振り上げた参列者の後頭部だった。

フラワーシャワーは時間にすれば1分もない。撮り直しもきかない。それなのに、事前の打ち合わせではほとんど話題にならない。挙式の撮り方は詰めても、退場後の段取りは「なんとなく」で迎えてしまう。自分もそうだった。

フラワーシャワーの撮影で失敗する立ち位置

あの日の立ち位置は、参列者の列の外側、扉の斜め前だった。挙式中にバージンロードの後方にいたので、退場に合わせて先に外へ出て、その場所に回り込んだ。

問題は3つあった。

ひとつ目。参列者が想定より前に詰めてきた。花びらを投げたい人は、新郎新婦に近づく。列の外側から撮ると、手前の人が完全に壁になる。

ふたつ目。新郎新婦が歩くスピードが速かった。照れくさいのか、ほとんど小走りで抜けていった。斜め前から撮ると、フレームに入っている時間が数秒しかない。

みっつ目。扉の内側は暗く、外は晴天。扉が開いた瞬間の露出差で、最初の数秒は真っ白に飛んでいた。

フラワーシャワーは「横から撮る」とまず失敗する。撮るなら正面、それも後ろ歩きだ。

正解の立ち位置は「新郎新婦の正面、2〜3歩先」

今は、新郎新婦の正面に立ち、後ろ歩きで一緒に進みながら撮っている。距離は2〜3歩先。広角寄りで、二人の全身と、両脇から降ってくる花びらが同時に入る距離だ。

この位置だと、参列者は画面の両端に並ぶ「花道」になる。壁ではなく背景になる。二人が小走りでも、こちらも一緒に下がるので、フレームから外れない。

後ろ歩きはジンバルがあると圧倒的に楽だ。ただし足元が見えないので、本番前に必ず通り道を歩いて確認する。段差、植え込みの縁、排水溝の格子。一度、ヒールが格子に挟まった新婦を撮りながら自分もつまずきかけたことがある。二人揃って転んでいたら、それはそれで伝説の映像になっていただろうが。

アングル全般の考え方はブライダル撮影の指輪交換アングル|正面からしか撮れず後悔した日にも書いたが、フラワーシャワーに関しては、正面以外の選択肢はほぼ無いと思っている。

扉が開く瞬間の露出とND

扉が開いた瞬間の白飛びは、設定で防げる。

自分のやり方はこうだ。

  • 退場の前に外へ出て、外の明るさに合わせて露出を決めておく
  • 扉が開いた直後の暗い1〜2秒は捨てる。二人が外に出てからが本番
  • 晴天ならNDで光量を落とし、シャッタースピードを適正に保つ

3つ目は大事だ。真夏の屋外でシャッタースピードを上げて露出を合わせると、舞う花びらがカクカクして、ふわっとした感じが出ない。花びらこそ、ほどよいモーションブラーで見せたい。

NDの選び方はNDフィルターの選び方|真夏の屋外挙式でシャッタースピードが破綻した日に詳しく書いている。あの記事の失敗も、場所はチャペルの外だった。

曇りの日はNDを外しておけばいい。ただ、天気が途中で変わる日もある。バリアブルタイプなら回すだけなので、挙式中に空模様が変わっても対応できる。

当日の段取り:退場前の30秒で決まる

フラワーシャワーの出来は、実は退場が始まる前に決まっている。

挙式の打ち合わせで、プランナーさんに退場ルートを確認する。 扉を出てどっちへ向かうのか、どこで止まるのか。止まって写真を撮る時間があるのか。会場によっては、階段の上で一度立ち止まる演出がある。

参列者の誘導が始まったら、自分も先に外へ出る。 スタッフさんが花びらを配っている間に、通り道の正面に陣取る。カメラマン(スチール)と立ち位置がぶつかりやすいので、ここで一言声をかけておく。スチールさんは少し横から、こちらは正面の後ろ歩き、と役割を分けると、お互い邪魔にならない。

二人には「ゆっくり歩いてください」と伝えてもらう。 これはプランナーさんかスタッフさんにお願いする。カメラマンから直接言うより、ずっと素直に聞いてもらえる。

それと、二人が通り過ぎたあとに振り返る瞬間を狙う。花道を抜けた先で、新郎新婦が参列者のほうを振り返って笑う。この数秒が、実は一番使えるカットだったりする。

撮れた素材の編集での使い方

フラワーシャワーの素材は、スローにすると化ける。

後ろ歩きの正面ショットを、本編のクライマックスでハイフレームレート素材としてゆっくり見せる。花びらが二人の周りをゆっくり落ちていくだけで、それなりに泣ける映像になる。撮影時に60pや120pで回しておけるなら、そうしておくと編集の選択肢が増える。

逆に、参列者の背中しか映っていない素材は、どれだけスローにしても背中のままだ。当たり前だが、あの日の自分はそれを編集画面で思い知った。

まとめ

フラワーシャワーは、正面・後ろ歩き・2〜3歩先。この3つさえ守れば、大きく外すことはない。

あとは足元の確認だけはサボらないこと。花びらの舞う中で後ろ向きに転ぶカメラマンは、新郎新婦より目立ってしまう。

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この記事を書いた人

映像制作歴8年、ブライダル・MV・ライブ撮影を中心にこれまで300件以上の現場に立ってきた映像クリエイター。撮影から編集まで一貫して手がけ、現場でしか分からないリアルな機材選び・編集ノウハウを発信しています。

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