4K素材でプレビューが止まるたび、Premiere Proを再起動していた頃の話

4K素材でプレビューが止まるたび、Premiere Proを再起動していた頃の話 編集ソフト

再生ボタンを押す。3秒カクついて、止まる。Premiere Proを再起動する。この儀式を、1本の披露宴映像の編集で40回はやっていた。

video editing timeline laptop
Photo by Muhammed Çetinkaya on Pexels

当時は「PCが古いから仕方ない」と本気で思っていた。実際は、プロキシという機能を知らなかっただけだった。

止まっていた原因は「PCのせい」だけじゃなかった

使っていたのは、動画編集には少し心許ないノートPC。そこに、メイン機で撮った4K・10bitの素材を3カメ分、そのままタイムラインに並べていた。

今思えば、軽自動車で引っ越しのトラックを引っ張っていたようなものだ。

高圧縮の撮影コーデックは、カメラ側では容量を節約してくれる代わりに、再生するPC側に重い展開処理を押し付ける。マルチカムで3本同時に流せば、負荷は単純に3倍になる。

PCを買い替える前にやるべきことがあった。

重い素材をそのまま編集するのは、PCの性能の問題ではなく段取りの問題だった。

プロキシを作る、という発想

プロキシは、元の4K素材から軽い低解像度のコピーを作り、編集中はそっちを再生させる仕組みだ。書き出すときには自動で元素材に戻るので、画質は落ちない。

Premiere Proなら、読み込みの段階で「インジェスト設定」からプロキシ作成をオンにしておけば、Media Encoderが裏で勝手に作ってくれる。あとはプログラムモニターの「プロキシの切り替え」ボタンを押すだけ。

初めてこれをやったとき、あれだけ止まっていたマルチカム編集が、嘘みたいに滑らかに動いた。

その日の夜、再起動に使っていた時間を数えてみた。1本あたり、少なく見積もって2時間。何を買ったわけでもないのに、それが丸ごと消えた。

自分の現場で落ち着いた設定

いろいろ試して、今はこうしている。

  • 解像度: 元素材の1/4程度(4Kなら960×540前後)。テロップ位置の確認くらいならこれで十分見える
  • 形式: 編集向けの中間コーデック(ProResのProxy系など)。とにかく軽さ優先
  • 保存先: 元素材と同じドライブではなく、PC内蔵の高速SSD

最後の保存先が、地味に一番効いた。

元素材を外付けHDDに置いたまま、プロキシも同じHDDに作っていた時期がある。読み出しが詰まって、結局そこまで軽くならなかった。プロキシは内蔵の速いSSDに置く。これだけで体感がまるで違う。

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素材の置き場所全体の考え方は、外付けSSDのおすすめは耐衝撃で選ぶ|HDDを現場で落として素材を失いかけた話で詳しく書いている。

プロキシでやらかした失敗

便利な機能ほど、落とし穴もある。

一度、プロキシ表示のままカラー調整を追い込んでしまい、書き出したら肌の色が微妙に違っていたことがある。プロキシは軽さ優先の圧縮なので、色やシャープネスの細部までは信用できない。

それ以来、カラーとノイズ処理の最終確認だけは、必ずプロキシをオフにしてから元素材で見るようにしている。

もう一つ。案件のフォルダを別ドライブに移動したら、プロキシとのリンクが切れて全部作り直しになった。移動するならプロジェクトマネージャーを使う。手でフォルダをドラッグしない。これは本当にやめた方がいい。

それでもPCを買い替えた理由

プロキシで編集中の快適さはかなり改善した。ただ、書き出しだけは元素材を使うので、どうしても時間がかかる。

最終的にはPCも替えたが、その判断ができたのは「どこが本当のボトルネックなのか」をプロキシで切り分けられたからだ。買い替えの話は動画編集用GPUのおすすめ3選|書き出し1時間のPCを替えたら13分になった話にまとめた。

プロキシを使わずにハイスペックPCを買うと、たぶん半年後にまた重くなる。素材は年々重くなるので。

まとめ

プレビューが止まるたびに再起動していた頃の自分に言いたいのは、「新しいPCの見積もりを取る前に、インジェスト設定のチェックボックスを1つ押せ」ということだけだ。

あれに気づくまで、たぶん累計で100時間くらいは再起動の画面を眺めていた。その時間で、二次会ムービーが5本は作れた。

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この記事を書いた人

映像制作歴8年、ブライダル・MV・ライブ撮影を中心にこれまで300件以上の現場に立ってきた映像クリエイター。撮影から編集まで一貫して手がけ、現場でしか分からないリアルな機材選び・編集ノウハウを発信しています。

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