Premiere ProからDaVinci Resolveへの完全移行を3回試みて、3回とも挫折したことがある。カラーグレーディングの表現力に惹かれて移行しようとするたび、既存のプラグイン資産やクライアントとのファイルやり取りの都合で結局Premiere Proに戻ってきた。今は「どちらか一本」ではなく、工程ごとに使い分ける結論に落ち着いている。

乗り換えを検討する時点で、実は「両方使う」が最適解だったりする。
Premiere Proが向いている工程
- クライアントとの素材・プロジェクトファイルのやり取り: 業界標準なので受け渡しでのトラブルが少ない
- プラグイン資産の活用: Premiere Proのおすすめプラグイン|同じトランジションを手作業で30回作っていた頃の話を既に揃えている場合、移行コストが大きい
- テキストベース編集・自動文字起こし: インタビュー系の編集速度が上がる
DaVinci Resolveが向いている工程
- カラーグレーディング: ノードベースの調整はPremiereの標準機能より圧倒的に自由度が高い
- 無料版でも本格的な機能が使える: 予算をかけずに高度な色調整を試したい場合に向いている
- マルチカム編集の安定性: 複数カメラ素材の同期処理が体感で安定している
以前、AIカラーグレーディングの使い方|毎回2時間かけていた色補正の末路経験があるが、この工程だけDaVinci Resolveに切り出してから作業時間が大きく縮んだ。
実際のワークフロー
- Premiere Proで粗編集・テロップ・音声処理まで完成させる
- カラーグレーディングだけDaVinci Resolveに書き出して調整
- 調整後の素材をPremiere Proに戻して最終書き出し
往復の手間はあるが、それぞれの強みだけを使う分、トータルの品質と速度のバランスが良い。
両方使うデメリットも正直に書く
工程を分けると、ファイルの受け渡し・往復にどうしても手間がかかる。プロジェクト管理が雑だと、どちらのソフトで最終版を編集したか分からなくなる事故が起きる。ファイル名にバージョンと編集ソフトを明記するルールを決めてから、この手の混乱がなくなった。
PCスペックへの要求も違う
DaVinci Resolveは特にGPU性能への依存度が高く、非力なグラフィックボードだとプレビューがまともに動かないことがある。動画編集用GPUのおすすめ3選|書き出し1時間のPCを替えたら13分になった話を見直すタイミングで、同時にDaVinci Resolveの動作要件も確認しておくといい。
案件の単価で使い分けを決めることもある
単価の低い量産案件では、往復の手間をかけずPremiere Pro一本で完結させることが多い。逆に単価の高い一件を丁寧に仕上げたい案件では、DaVinci Resolveでのカラーグレーディング工程を必ず挟むようにしている。
まとめ
「どちらが優れているか」で悩むより、「どの工程に何を使うか」で考えた方が現実的な結論に落ち着く。乗り換えに何度も挫折した経験がある人ほど、この使い分けの発想は刺さるはずだ。
この記事を書いた人
映像制作歴8年、ブライダル・MV・ライブ撮影を中心にこれまで300件以上の現場に立ってきた映像クリエイター。撮影から編集まで一貫して手がけ、現場でしか分からないリアルな機材選び・編集ノウハウを発信しています。



コメント